用強美

田邊朔郎の「とんねる」を読んでいると、洞門は「あまり飾はいらないが場所によっては相当に立派にしたものもある」とある。特に運河トンネルでは半分以下が水没し、そのままでは見える部分の形がバランス悪くなるので、入口の少しをトンネルの高さを高くするところもある、という。


3月中旬まで、琵琶湖第一疏水は浚渫のため停水中ですが、おかげで光が抜けやすく、第二トンネル東口から入口少し背が高くなっているのが分かりやすい。今の姿が美しいのではなく、運河に水が流れた状態で最もバランス良く設計されているのです。これぞ用強美が兼ね備えられた事例です。


第三トンネル東口洞門は「とんねる」にも掲載されていました。停水状態の今の写真と比較すると、田邊朔郎が意図した用強美がよく分かります。

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